公務員を退職して起業(その3)
こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。
全国各地で取り組まれ拡がりつつある「公務員の兼業・副業」を支援する業務を展開しています。
当ブログでは、公務員退職後の歩み方についても投稿していますが、日本経済新聞に埼玉県内の事例が掲載されていましたので、3回にわたって紹介しています。今回はその3回目、最終回です。
2021年10月22日付け日本経済新聞電子版に「公務員から起業 埼玉県で地域活性化の核に」という見出しで3人の公務員退職起業の様子を伝えています。
埼玉県内では公務員から起業して地域活性化の核となる人材が目立っているそうです。いずれも公務員時代の仕事を通じて社会の課題に気付き、自ら改革を担おうと考えた人たちです。
◎子どもたちに「生きる力」を身につけてもらう教育を目指す赤井由紀子さん
埼玉県内の複数の創業支援団体によると、公務員は一般的に産休育休制度が民間より充実しているため女性の起業が少ないといいますが、熊谷市で英語教室を中心とするオール・エデュケーション・アカデミー(AEA)を経営する赤井由紀子代表(48)は元公立中学校の英語教師です。
長時間労働と受験のための英語に終わってしまう公教育に疑問を感じ、約20年前に実家で「寺子屋」を開いたのが原点だといいます。
現在は英語教室のほか、子どもたちが望む人生を実現するために必要な力を育てる「アクティブラーナー育成授業」や工作とデジタル技術を組み合わせた「ロボット&プログラミング教室」も加えています。創業間もない坂上さん(第1回目に登場)や増田さん(第2回目に登場)はまだ公務員時代の年収の半分に届かないということですが、赤井さんの場合は「学校のトップに負けないくらい稼げていると思う」と明かします。
AEAでは、活動の意義に共感してボランティアで参加したり問い合わせしたりしてくる女性教師もいるといい、「副業のしやすさやプロジェクト単位での働き方が進むことで、やりたいことに挑戦する人が増えるのでは」と話しています。
赤井さんは、20年前に実家で開業した「寺子屋」からの努力が「学校のトップに負けないくらいの収入」という成果に結びついているのだ思います。そして、子どもたちが望む人生を実現するための教育に真正面から取り組んでいるのでしょう。
今回まで3回にわたってご紹介してきた埼玉県内の事例はいかがだったでしょうか。ご紹介してきたソーシャルビジネス的な取り組みが地域住民の暮らしやすさや地域の活性化に結びついているという感想を持ちました。
今回ご紹介した赤井さんの事例のように、収入面からも満足のいく取り組みになるというのが理想的な姿だろうと思いますが、軌道に乗るのにはなかなか時間もかかりそうです。
公務員から起業するにしても、「公務員の副業」許可基準が明確化された自治体であれば、準備期間の数年間は「公務員の副業許可」を活用しながら、起業準備をすすめることができるかもしれません。
地域貢献、地域活性化のため、ソーシャルビジネス的な取り組みを考えている皆さんは、ぜひ「公務員の副業許可制度」のご利用を検討してはいかがでしょうか。「公務員の副業許可制度」を活用しながら、取組事業の試行を行うことだって可能になります。
新型コロナとの共生も始まりつつあり、公務員の「時間外のマンパワー」を期待する地域も多いのではないでしょうか。ぜひ一緒に考えていきましょう!
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