塩尻市役所の公務員兼業許可制度は?③
皆さん、こんにちは。ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。全国各地で取り組まれつつある、「公務員の兼業・副業」を支援する業務を展開しています。
今年度、長野県塩尻市で市職員の副業基準が明確化されましたが、引き続き、その特徴についてお伝えしていきます。
比較するのは、前回と同様に、2018年9月から全国の都道府県で最初の「公務員兼業許可基準の明確化」を行った長野県(担当課:総務部コンプライアンス・行政経営課)の「地域に飛びだせ!社会貢献職員応援制度(公務員の兼業・副業許可基準)」です。
2)「副業」という語句の使い方
長野県に比べて、塩尻市の基準のほうが「副業」という言葉を多用しています。
長野県の基準では、「地域に飛び出せ!社会貢献職員応援制度」というフレーズを前面に出しており、「副業」という語句が出てくるのは、「営利企業への従事許可(副業)」という説明と「公務員の副業従事」、「県職員が副業として従事」という使われ方だけです。
一方、塩尻市の運用基準見直しの説明文章では、タイトルの冒頭部分から【副業基準】と表現しています。そして「地方公務員の副業」、「副業に関する基準」など、「副業」という語句が多用されています。
これは、長野県が基準を明確化した2018年当時には、まだ「公務員の副業」という言葉は、世間一般ではまだまだ理解しがたいと考え、「社会貢献」という言葉を前面に出して、「公務員の副業」という言葉はなるべく表に出ないようにしていたのかもしれません。(オブラートに包むような表現とも言えるかもしれません。)
長野県が基準を明確化した時点では、先行するのは神戸市などごく限られた自治体だけでしたし、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を初めて作成したのは、2018年1月のことで、まだまだ世間一般に浸透しているとは言い難い状況でした。
ちなみに「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、2020年9月と2022年7月に改定されています。
2018年1月作成の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」をきっかけに、民間企業を中心として副業・兼業の気運が高まってきました。(「働き方改革関連法」には盛り込まれなかったものの、政府は副業・兼業の解禁を推奨しています。)
2018年以降、大手企業での副業解禁のニュースを目にすることも増えましたし、コロナ禍で自宅待機やテレワークが増えたことも背景となり、副業ブームが到来している状況にあります。
塩尻市で許可基準を明確化したのは2022年4月のことです。この頃には世間一般も「副業」という言葉に抵抗を持たなくなってきたのかもしれません。
そして、なによりも、対象となる塩尻市職員にとって、より分かりやすい制度としてアピールすることを優先したのかもしれません。
「地域貢献職員応援制度」よりは「地方公務員の副業」の方が、ストレートで分かりやすい表現なのかもしれませんね。
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