塩尻市役所の公務員兼業許可制度は?②
7月になりました、今年も半分が過ぎてしまいましたね。
それにしても連日、暑い日が続いています。
皆さん、こんにちは。ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。全国各地で取り組まれつつある、「公務員の兼業・副業」を支援する業務を展開しています。
今年度、長野県塩尻市で市職員の副業基準が明確化されましたが、その特徴についてお伝えしていきます。
比較するのは、2018年9月から、全国の都道府県で最初の「公務員兼業許可基準の明確化」を行った長野県(担当課:総務部コンプライアンス・行政経営課)の「地域に飛びだせ!社会貢献職員応援制度(公務員の兼業・副業許可基準)」です。
1)制度導入の目的
長野県に比べて、塩尻市のほうが幅広い目的になっています。
「公務員の職務外における地域貢献活動等を促進し、地域の担い手を確保しつつ、兼業・副業で得た知識と経験を、公務員の業務に還元することで、より質の高い行政サービスの提供が可能になる。」という点は、両者ともほぼ同様の目的です。
塩尻市では、「人生100年時代に応じた退職後のライフプランの確立など、多様な働き方への変革を促す」としています。
この部分では、退職が間近になった公務員(例えば、定年退職の時期が迫った公務員など)をも、対象にしうる塩尻市の目的は、幅広く、時代によりマッチしたものになっています。
この背景には、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする「改正高年齢者雇用安定法」が2021年4月1日に施行されたことが影響しているかもしれません。
以前の「高年齢者雇用安定法」では、企業は希望者全員を65歳まで雇うことが義務付けられていました。
2021年に施行された「改正高年齢者雇用安定法」では、65歳までの雇用確保(義務)に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、以下のいずれかの措置を講ずる「努力義務」が新設されました。意欲のある人が長く働ける環境を整えるために、以前に比べて選択肢が多くなっています。
①70歳までの定年延長
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで事業主が実施・委託等をする社会貢献事業に継続的に従事できる制度の導入
とくに⑤の制度導入は、こうした雇用面での制度改正や公務員の定年延長に合わせて、定年退職後の公務員の働き方として、再任用等だけでなく、違う進路について、幅広い選択肢の中からチョイスを可能にできます。
長野県が「公務員の兼業副業許可制度」をスタートした2018年度には、まだ「改正高年齢者雇用安定法」はなかったわけで、塩尻市はこうした時代の流れを受けて、「退職後のライフプランの確立」まで見据えて、制度設計されているのは注目に値します。
私自身、公務員の兼業副業を通して、定年退職後の道を模索していましたので、退職後のライフプランの選択肢が広がり、多様性のあるライフプランになることは、非常に良いことだと思います。
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