コニカミノルタと長野県 業務「見える化」でDX推進

query_builder 2021/12/17
ブログ
DX推進

こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。全国各地で取り組まれつつある、「公務員の兼業・副業」を支援する業務を展開しています。


私は今年3月まで長野県庁に勤務する地方公務員でした。2018年9月に制度化された長野県職員の兼業を応援制度「社会貢献職員応援制度」を活用し、県当局から兼業許可を得て、約2年間、取り組みを行ってきました。


長野県庁で2年間の「公務員兼業」活動に取り組んだ経験をもとに、「公務員の兼業・副業」についての支援をお手伝いしています。
私の住んでいる長野県と民間企業との協業について、日経クロストレンドに掲載されています。


コニカミノルタが自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に一段と力を入れ始めた。2021年7月1日から、全国の地方自治体のDXを支援する「自治体DX支援プラットフォーム」の販売を、各地の自治体向けに推し進めている。


コニカミノルタのコピー機やスキャナーを一体化した複合機は、実は自治体にはほとんど導入されていない。つまり、かつての同社はいわゆる自治体ビジネスからは縁遠く、NECや富士通、NTTグループといった自治体との関わりが長く深いIT(情報技術)企業から見ると、いわば「異業種の新参者」と言っても過言ではない。それが今や、同社ならではの強みを持つ、自治体DXを推進する主要な担い手の1社と多くの自治体からみられている。


コニカミノルタ最大の強みは、約2年半前から進めてきた自治体の全庁業務量調査にある。
全国に約1700ある自治体を、(1)都道府県、(2)人口50万人以上が原則の政令指定都市、(3)人口30万人以上の中核都市、(4)それ以外の基礎的な都市──という4つの規模別に分け、それぞれからモデル自治体を選定。自治体と連携協定などを結んで、職員への聞き取りなどでその業務量を細かく調査し、データ化してきたのだ。


既に50以上の自治体から収集した、約80万件に及ぶ膨大な全庁業務量調査のデータを抱えている。新型コロナウイルス禍の中、競合他社が同じような聞き取り調査を自治体に実施して対抗するのは、事実上難しい。


このデータを使って自治体の業務を「可視化」。さらに人工知能(AI)などを使って「分析」を進める。複数自治体による情報システムの共同利用や、国が進める各種情報システムの「標準化」などを近い将来のターゲットとして見据えて、業務の効率化を目的とする「最適化」されたサービスを自治体に提案してきた。


提案の中身として、例えば公務員がやるべき仕事とそうでない仕事を識別。後者はAI-OCR(光学式文字読み取り装置)やロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)などのサービスに担わせて自動化を図り、公務員を本来やるべき仕事に集中させる。人口などが同規模の自治体と業務量や業務フローなどを比べ、職員に業務の見直しを促す。


多くの自治体で様々な理由で滞りがちだった、複数の自治体による情報システムの共同利用の推進にも積極的に取り組む。
例えば後述する長野県で、総務省からの委託事業として2020年度にコニカミノルタが協力して実施した実証実験の結果、業務フローと帳票を統一しさえすれば、情報システムが異なっても、AI-OCRやRPAの共同利用が可能と判明した。


2021年度には、やはり総務省からの支援とコニカミノルタの協力を得て、長野県は実験からシステムの実装に踏み込む。これを受けてコニカミノルタは、情報システムの共同利用の前段として、業務フローと帳票の統一を進めて業務効率化を達成すべきだと各自治体に提言を進めている。


2021年7月にガイドライン「自治体DX推進手順書」を発表した総務省や新設されたデジタル庁が旗を振り、自治体情報システムのいわゆる標準化を進める17業務についても、標準システムの姿が具体的にまだ見えない状況の中、データ分析によって、業務の効率化を踏まえた将来あるべき業務フローを7つのパターンで示した。業務フローを早めにあるべき姿にしておけば、標準化されたシステムがどのようなものであっても、後から導入しやすいというわけだ。


これまでのこうした取り組みを4つのサービスにまとめ、コニカミノルタだけでなく、パートナー企業のソリューションも1つのプラットフォームに載せて、自治体がソリューションをその中から選択できる形で、2021年7月から提供し始めた。それが「自治体DX支援プラットフォーム」だ。利用料金は、30アカウントで年額90万円(税抜き)からというサブスクリプション(定額課金)型になっている。


コニカミノルタデジタルワークプレイス事業本部自治体DX推進部長の別府幹雄氏は、「『よその実情を知りたい』『国が進める標準化に合わせたい』『費用対効果を明確にしたい』という、多くの自治体に共通する強いニーズにすべて対応できる。2023年度までに1000自治体への導入を目指す」と強気で語る。

そのコニカミノルタの支援を受けてDXに取り組んでいる自治体の1つが、長野県だ。
2020年に「長野県DX戦略」を策定して県全域でDXを推進する方針を明らかにしたことを受け、2021年にはDXを推進する体制をより強化した。


業務プロセスの改革とDXの推進に一体化して取り組むため、DX推進課を設置。また県の情報システムを効率的に開発・運営し、情報システム部門との連携を進めるため、分散していた情報システム予算と調達機能をデジタルインフラ整備室に集約した。


さらに必要なデジタル人材を確保・育成するため、民間企業と連携協定を結んで4人の出向者を受け入れ、情報システムの共同化を推し進める形で、県下の市町村の支援体制も強化した。


具体的には、長野県DX戦略として、「行政事務」「教育」「インフラ」など7つのプロジェクトに取り組む。中でも最優先で取り組むのが行政事務のDX推進だ。長野県でDXを推進する、企画振興部参事(デジタル化推進担当)兼DX推進課長の大江朋久氏は、「県と市町村が自らDXを推し進めないと、住民も民間企業もついてこない。そのため、行政事務のDX推進に最初に取り組む必要がある」と語る。


そこでDX推進に活用したのが、コニカミノルタの全庁業務量調査だ。長野県に加え、県下の小諸市も、コニカミノルタと連携して全庁業務量調査を実施。業務を「見える化」したうえで分析し、業務プロセスの効率化を推し進めた。

2021年からは、2019年に設置した先端技術活用推進協議会を活用し、県と市町村の共通業務に着目した情報システムの共同利用も推進する。
県下の市町村をまたいだ情報システムの共同利用に上位の自治体である県が率先して取り組むのは、県と市町村の意向や市町村同士の考えが異なるケースが多く、実はなかなか難しい。だが、長野県は全国2位となる77もの市町村を県下に抱えているにもかかわらず、特有の事情が共同利用を後押しする。


実は77市町村が参加する長野県市町村自治振興組合で、2009年から市町村の事務の電子化に取り組んでいるのだ。さらに、複数の市町村が地域ごとに連合する10の広域連合があり、その中でも事務の電子化について検討している。つまり、これまで築いてきた下地を生かせるわけだ。


実際、2021年度の先端技術活用推進協議会には、県と77市町村に加え、10の広域連合と市町村自治振興組合も加盟している。コニカミノルタの別府氏も、「長野県特有の事情を生かして、市町村との情報システム共同利用のモデルケースをつくれる。コニカミノルタとして強く支援していきたい」と語る。


一般的なDXの定義は、「『デジタル技術』と『データ』を活用して既存の業務プロセスなどを改変し、新たな価値を創出して社会の仕組みを新しく変革する」というものだろう。長野県では、この定義をより職員に知ってもらうため、別の言葉に置き換えて表現した。


大江氏は、その趣旨を「『超効率化』で仕事の嫌な部分をなくし、空いた時間で、住民と関わる時間を増やしたり、新しいサービスを考えたりし、新しいことに挑戦して仕事の楽しい部分を増やす」と語る。
この言葉通りに住民サービスを向上させながら、長野県が行政事務のDX化をはじめとする7つのプロジェクトに取り組み、県下の市町村を巻き込んで先行して自治体DXのモデルケースをつくれるかどうか──。

コニカミノルタが思惑通りに自治体DXを全国に普及させるためには、長野県が目指すDXの成功が不可欠だ。


長野県の頑張りを見守りたいと思います、頑張れ!!

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