公務員の兼業・副業許可の実態はどうなってる?⑮
こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。全国各地で取り組まれつつある、「公務員の兼業・副業」を支援する業務を展開しています。
私は今年3月まで長野県庁に勤務する地方公務員でした。2018年9月に制度化された長野県職員の兼業を応援制度「社会貢献職員応援制度」を活用し、県当局から兼業許可を得て、約2年間、取り組みを行ってきました。
長野県庁で2年間の「公務員兼業」活動に取り組んだ経験をもとに、「公務員の兼業・副業」についての現状と課題、今後の見通しについて考察していきます。(今回15回目)
1 副業・兼業の基準を明確化し奨励している事例
(1)奈良県生駒市(2017年8月~)
【導入に際しての留意点、ポイント】
⑦副業制度の利用実績
制度利用については、当初想定していたのはNPOの活動に週 1 くらいのペースで参 画するようなものであったが、実績としては年に数回の単発な取組が多い。執筆活動と講師は「謝礼」の側面が強いため、単発の講演依頼や執筆活動は報酬額を確認の上、口頭でOKとしており、今回の副業制度の枠外ということで許可申請は求め ていない。そのため、業務外で報酬を得る活動について、一般的な業務外での有償活動と、地域貢献型の副業(本制度の対象)について包括的にまとめた基準があってもよい のではないかと思っている。
副業の申請書には申請者の所属長の承認を経る形を採っている。現在のところ、申請者の所属長から特に現場で困ったという話は出ていない。普段の働きぶりをみているため、残業続きで疲れているような職員に認めることがないようなチェックをここで入れている。ただし、過度に認めない形にならないよう、市長からは所属長が否定的に捉え ないようメッセージが発せられてはいる。
副業を制度化したことにより、「庁内職員が様々な活動をしていることが見えてきて いる」という副次的な効果もある。人事課としてもこれまではそういった活動をあまり 把握していなかった。人事課としてはいろいろ心配もあるが、普段の業務のパフォーマンスは落ちずにできているというのが実態だと思う。頑張る職員ほど副業制度に応募する傾向にあるので、頑張りすぎないか、健康面の部分の心配はある。
地方公務員法上「原則不可」という前提がある一方で、生駒市としては「副業を前向きにやろう」という180度転換したことを発信している状況がある。あまり明確な基準・ 方針を出せない中で、人事課としても一抹の不安を抱えながら運用しているが、 3 年経過していろいろな実績が積み上がってくることで、その心配は少しずつ和らいできている。どこまでを「地域貢献型の副業制度」として申請が必要であるのか、明確な基準はな いものの、これまで副業に関する申請で許可しなかったという例は少ない。地域貢献の 枠では認めなくても、従来からの枠組みで認めていいのではないかというところもあるため、全体の方針を作り直すことも考えられる。
次回は、生駒市の具体的な活用事例について、ブログ投稿します、お楽しみに!
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